伊藤智章
名古屋市千種区の名物書店「ちくさ正文館書店本店」が7月31日、閉店した。人文書の品揃えで知られた店を惜しむ客が途切れない中、午後8時40分、谷口正和社長(60)が「ありがとうございました。きょうは最高の一日でした」とあいさつ。スタッフと頭を下げると、残っていた客約40人が拍手し、万歳の声まで上がった。
午後7時すぎには、100人以上の客でびっしり。レジの横には、客から届けられたという「長い間ありがとう」とメッセージの書かれた花かごも。「最後の記念に」と店の写真を撮ったり、古田一晴店長と握手したり。「サインして、とも言われちゃった」
高校生の時から来ているという市内の女性会社員(30)はお別れに訪れた。「ここで知った名古屋シネマテークも閉館したばかり。寂しくなるなあ」と話した。
同書店は谷口社長の父親が1961年創業。市内の名城大キャンパス内の店は続け、ネット販売なども受け付ける。(伊藤智章)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル